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VOL.29 AUGUST 2005

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レポート提出をこわがらないで!

通信教育部 課長
青柳 勉

 レポートがあまり進んでいない皆さん,レポートを書くことが特別なことだと構えていませんか。自分なりの手順をつかんでいけば,レポートに恐怖感はなくなります。どの科目にも応用できる方法ですが,ここでは例として福祉法学の1単位めを見てみましょう。

◆1 レポートを書く手順

1 課題を読む

*何を求めているのかを知る 「日本国憲法の基本原理について述べなさい
*アドバイスを読みましょう

2 科目の内容を知る

*この科目はどういうことを学ぶ科目なのか
 「社会福祉の仕事を行うにあたって必要となる法学的な知識を,総括して学ぶことを目的としている」

3 教科書を読む

*どこを読めばいいのか 『法学』第1章,第2章を読んでみましょう

4 目次を読む

*目次から内容を思い浮かべる。目次は文章の枠組みである

 第1章 社会福祉専門職と法学
  I 社会福祉士と法学
  II 社会福祉と人権
  III 社会福祉?利用(契約)制度と法
 第2章 憲法
  I 日本国憲法の基本原理
  II 基本的人権
  III 統治機構
  IV 地方自治

5 設問に答える

*課題の形式から一定の解答のしかたが導き出される
 (設問の類型)
 (1)……を説明せよ,……について述べよ
 (2)……を論ぜよ,……を論評せよ
 (3)……と……の差異,比較せよ
 (4)……と……の関係は
(次は答え方です:ここの課題では「述べなさい」ですが,その答え方)
 定義,意義,趣旨,論点などをまんべんなく書き,説明し,検討するの順で進めていきます。
(たとえば)
 日本国憲法の基本原理がいかなるものであるか を説明したうえで,社会福祉サービス事業を行うに際して基本原理がどのように澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】な意味をもつのかを,あなたの観点で導き出すのです。
(設問には出題者の意図がある)
 (1)設問の事項自体に関わるもの
 (2)出題者自身の問題意識(特有の学説)に関わるもの
(設問に答えるとは)
 「出題者の意図」と「設問の類型」に着目して,何を要求しているのか,どのようなまとめ方をしたらよいかを見通し,レポートを完成させることです。

6 論理明快な文章を書く

*論旨が一貫していること
*引用と引用をつなぐだけだと整合性に欠け論旨が一貫しなくなる
 つまり,丸写しでは内容を理解して書いていないことになります。引用する場合は熟読した上で必要な限りにすることを心がけます。
*問われている事柄について言及していること
 定義などを明らかにして説得力ある展開をし,論旨が一貫していることです。

◆2 よりよいレポートをめざして

1 表現力(相手に読ませる)

  1. 基本的なマナー *読み返すことにより簡単に間違いを防ぐ
    1. 文体を統一する
    2. 句読点を明確につける
    3. 誤字,脱字に注意する
  2. 明快な論理
    1. 感情的,感覚的な表現やあいまいな表現をしない
      *「……と感じられる」 「……という気がする」
       (客観性,論理性がないとされ不適切)
      *「……的」「……性」「……等」
       (多用すると,あいまいな文章ととられやすく不適切)
    2. 客観的事実と自分の推定とを区別して書くことも澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】
    3. 自分勝手な造語をしない
      *ことわざや格言や比喩の引用は表現の効果を高めるが,不正確であったり,不適切では効果が台なしになります。
    4. 接続詞の使い方に注意する
      *「しかし」(前文に対立することが書かれている場合のみ使用可)
      *「なお」(例外として付加すべきことを最後に書く場合のみ使用可。何度も使用してはいけない)

2 構成力(三部構成)

  1. レポートの構成
    1. 序論 *導入部や問題提起(設問のどの部分に触れ,重点とするのか)
    2. 本論 *中心となる部分(設問に答えるべくあらゆる点から論じる)
    3. 結論 *序論や本論を受けてまとめをする(序論は結論を意識する)
  2. レポート内容のポイントを明確にするために
    1. 論点の提示と説明を正確にする
    2. 論点を正確にするためには,設問の出題意図によって変化するので,どのような答え方を要求しているのかをしっかり理解する
    3. 何を答えるべきかを明確にする
    4. どう展開すべきかを考える
      (結論にひきつけて書くことを心がける)
      (結論をひきだすために展開していく)
  3. 論理明快な文章にするために
    1. 各部分に,小見出しをつける気持ちで書く
    2. 各部分に,何を書いているのかを常に確認する
    3. 各部分のつながりを考えて全体をまとめる
      *ここに目次を読む意味があります。

◆3 レポートを書くことが特別なことのように思えてならないときの,あなたは

  1. いいものを書きたい,いい成績にこだわってしまっているとき
  2. 本を全部読まなくては書けないのではないかと思っているとき
  3. レポートが再提出になって,もう書けなくなってしまうと思うとき
  4. なぜかまわりが気になってしまうとき
  5. 初めの意欲がだんだん薄れてしまったと思うとき

 「自分だけだめだ」と思っていませんか。みんな同じ状況です。だめになりそうだと思ったら,いつでもいいですから連絡をください。あきらめないでください。継続して学んだ人だけが得られる知識の修得の喜びを感じるときが必ず来ます。

 レポートをどうしようと思っている人のために,少しでも力になればと思い,アンケートでも寄せられたご質問をもとに書きました。次は,あなたがどのように解決に向かうかです。そのときにはまた新しい疑問が湧きますよね。ステップアップしたあなたと話ができることを楽しみにしています。

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