2024/02/22 教育学科

教員インタビュー 杉浦徹准教授(初等教育専攻?特別支援教育)

2月となり、学生たちは春休みに入りました。まだまだ寒い日が続いていますが、晴れた日には、キャンパスのあちこちで部活動に励んだり、友人たちと楽しそうにおしゃべりをしたりする姿が見られます。今回は教育学科初等教育専攻で特別支援教育の授業を担当している杉浦徹准教授にインタビューを行いました。

教員経験があるとのことですが、なぜ教員を志したのですか。

生まれ育ったのが関西、京都ということも関係していると思いますが、出会った先生の授業の多くが、漫才や落語のようで、学校が楽しかったのです。自分もおしゃべりが大好きだったので、この世界にある様々な面白いことを子どもたちに楽しく伝えたいと考え、芸人さんを志すように、いつからか教師になろうと思い始めました。
 
高校3年生の時、教育学部のどの学科(教科、領域)を専門にするか迷っていました。そんな時、友達から彼の妹さんの話を聞きました。妹さんには知的障がいがありました。その妹さんが小学校の音楽会での発表で、間違った音を出しても大丈夫なようにリコーダーの穴すべてに先生がテープを貼り、音が出ないようにしたというのです。きょうだいとして、家族としてとても悲しかったという友達のことばを聞いて、強く心を動かされました。同じ教師になるのなら、子どもたち一人ひとりに合った支援を基盤とする障がい児教育を学ぼうと思いました。
 

特別支援教育で使用する教材?教具の開発に取り組んでいますが、なぜ、教材?教具に興味を持つようになったのですか。

重い運動障がい、知的障がいのある子どもたちの支援学校を見学した時のことです。その子たちが持っている、ほんのわずかな力や動きで感作するセンサーやスイッチを使って機器を操作し、活動に参加したり、コミュニケーションをしたりしている仕組み、アシスティブテクノロジー(支援技術)にとても可能性を感じました。そしてふと、自分が祖父、父と続く電気工事店の3代目だったことを思い出しました。工作やものづくりが好きで、子どもの頃から、半田ごてを使っていました。自分の得意なこと、好きなことを活かせると思い、教材?教具の開発や工夫で子どもたちの支援をするようになりました。

学生には大学でどのようなことを学んでほしいと思いますか。

今は社会の変動が激しく、先が見えないので、就職に役立つ資格や免許をとるための勉強をしたいと考える人が多いかもしれません。でも仕事やお金だけに価値を置くのはあまりお勧めできません。豊かに人生を歩むための指針を大学で見つけてくれたらと思います。目先の利益ではなく、自分が面白いと思うこと、むしろ役に立たないことを学んでほしいですね。長い視点で眺めると結果的に一番それが役に立つことが多いと思います。
 

特別支援教育に興味のある高校生のみなさんへメッセージをお願いします。

特別支援教育は障がいのある子どもたちのためだけにあるのではありません。人が人として、幸せに生きていくために必要なものは何かを考える学問、すべての人にとって大事な領域だと思います。それ故、人間社会のいろんな矛盾や葛藤に直面することも多く、簡単な世界ではありません。だからこそ、やりがいがあると思います。是非、一緒に勉強しましょう。

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